音質について。音質は数値で測れる?
こんにちは!もちこです。
今日のお題はずばり!
音質は数値で測ることが可能なのでしょうか?
オーディオ再生システム系の性能を評価する"音質"の良し悪しは、現在の段階では物理的な測定だけで判断することは非常に難しいことです。
なぜかといいますと、たとえ物理的な測定による評価を使用としても、現段階では機械で測定するより人間のほうが計測が可能な範囲をはるかに超えた聴力であるからです。このため音質の評価は優れた評価者の聴力に頼るしかありません。
機械で測定した結果は時間軸、周波数軸、音圧レベル軸の3次元表示で示すことができます。スピーカーシステムで再生した音圧レベルは、時間とともに変化する波形として時間軸上を流れていきます。この波形はオシログラフの画面、近年はパソコンで見ることができます。その複雑な動きと特徴のある波形は、楽器や音声の特徴を熟練した人であれば、ある程度見つけることができます。
周波数軸上にはスピーカーシステムの低音から高音までの音圧レベルの変化を出力音圧周波数特性として示され、この特性に従い瞬時に低音から高音までの周波数スペクトルをリアルタイムアナライザーにより周波数に対するレベル変動を瞬時に見ることができます。
リアルタイムアナライザー:音圧レベルや周波数をリアルタイムで可視化できる。近年はスマートフォンのアプリがあるので手軽に可視化できる。
本格的に測定できるソフトを紹介します。私も普段使用している音響測定ソフトです。
現段階では、時間的流れを瞬時に止めて3次元で示すことや、インパルスレスポンスによるエネルギータイムレスポンス、過度応答の周波数領域での変化を時間領域での3次元表示で蓄積スペクトラムとして観測できます。
と、この辺までが物理的な計測技術で得られる範囲です。
しかし、人間の聴覚はこれをはるかに超える能力を持っています。
リアルタイムアナライザーで示す周波数帯域の各周波数に対する音圧レベル変化のひとつひとつのレベルの中に、バイオリンの音、ベースの音が少し小さくある、ピッコロの菅の響きが強いなどと、各楽器の音を分解して聴く能力を持っています。
これは機械で測定したオーディオ信号の波形やアナライザーの周波数分布からでは、音源から音色を分離して分析する能力はありません。
また、人間の聴力ではわずかな音が他の音と混信している中でも、カクテルパーティー効果により、複雑な音の中から分離して聞き分けすることができます。しかもそのダイナミクスレンジはぐんと広く、機械で計測できるレベルの比ではありません。
ダイナミクスレンジ:小さい音と大きい音との大きさの差
このように、現段階では物理的な測定によるデータで大部分の性能評価ができるとしても、最後の決め手は人間です。しかも評価者の聴力に依存することになります。
明日は聴く能力についてまとめていきたいと思います!
それでは!
もちこ
音質について。音質とは?
こんにちは!もちこです。
今日は音質について、もう少し掘り下げていきたいと思います。
人間の感性には、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感があります。
その中でも、音質は味覚に似ています。味覚は人それぞれ違いますので、非常に難しい感覚の中のひとつでもありますね。
このため、音質そのものは実態が明らかでないためできません。
しかし様々な分野で、日頃から音の感性を磨き音質をよくするように「音創り」に苦心している人々がいます。
中でもオーディオの世界では、"音質"が最終的に完成品の最も重要な評価として存在しています。そのため、オーディオ機器を製作して一般を対象に販売する場合、多数の人が好む評価の高い"音質"をどのようにして創り上げるのか、オーディオメーカーは苦心しています。
かつて、オーディオがビックビジネスとして発展するために、経営資源を投資した時期がありました。この時音質に対する研究が行われ、音質の評価を客観的にとらえてオーディオ機器の性能改善に取り入れようと、大企業の音響研究機関で本格的に取り組まれました。しかし、まだ課題が多く残っています。
明日からは、音質の要因分析や評価ではなく、スピーカーシステムを対象に音質の良し悪しを正しく評価する事項をまとめていきたいと思います!
それでは!
もちこ
音質について。はじめに
こんにちは。もちこです。
本日より音質評価についてまとめさせていただきます。
ところで最近、駅のホームの案内放送や店内放送などの音が良くなったよ!という声をよく耳にします。
特に駅のホームでは、電車の走行音にマスキングされないように研究され、設備の改善がされた結果だと思います。
マスキング:ここでいうマスキングは「小さい音が大きい音に包み込まれる」という意味で使用します。
つまり音質が良くなったということですね。
最近では、ハイレゾ、高サンプリング、各種様々な圧縮技術などの進化により、様々な方式が出現しています。
ハイレゾ:従来のCDを超える情報量を持つ高音質音源。 圧縮音源では伝えきれなかったレコーディング現場の空気感やライブの臨場感を、より感動的に体感できる。 ビット数の高さとより細かなサンプリングによって、きめ細かく表現されています。
しかし、音は人間が聴き「良い音」なのか「悪い音」なのかを判断するものであって、その評価は音を聴く人によってバラバラです。
"音質"とは具体的にどういった意味なのでしょうか?
日本音響学会の音響用語辞典を引用してみました。
「楽器音、放送の音声信号、音信号記録メディアの再生音、電話音声、騒音、音楽など様々な音の種類によって微妙に意味が異なって用いられるが、いずれの場合にも音色に関した品質を意味することが多い」
とあります。音色についての評価で間違いないようです。
ですが、コンサートPAについての音の良し悪しは音圧に関する評価が主で、この場合は音質についての様々な評価があります。
この違いは何でしょう?
同じ音源を再生しても使用する機材によって音が異なりますね。それはその機器の音質が違うのは当然です。
明日からは音質についてどのように追及されてきたのかまとめていきたいと思います。
それでは!
もちこ
自己紹介
初めまして!もちこと申します。
このブログでは音響のあれこれについて、たくさん書いていこうと思います。
たくさん書く前に、自己紹介します。
名前:もちこ
職業:音響エンジニア
主に都内で大きな講演会から小さなライブまで、音響のオペレートしています。
いつもスピーカーチェックで使う音源を紹介します。
その1!
Disc2から、Living On The Top、Just Loveを使用しています。
ゴスペルは音数が多く、男性女性の割合が程よいコーラスがとにかくぶ厚いです。現場が音楽ものの時に使用します。コーラスの広がりでスピーカーの定位や広がりを見ています。
その2!
- アーティスト: JENNIFER WARNES
- 出版社/メーカー: PRIVA
- 発売日: 1996/01/08
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ジェニファーウォーンズの曲です。
Somewhere, SomebodyとThe Hunterを使用しています。
現場が女性ボーカルであった時に使用してます。
また、低音のサウンドが程よいのでローボックスのチェックなどに使用しています。
その3!
I.G.Y.はPA業界の中ではド定番ですね。
他の音響さんも使っているので、普段からチェックの時に聴いておくと比較できるかもしれないですね。
その4!
ロックな現場にBack In Blackをチェック音源として使用してます。
その5!
会議や講演会など、主に単一音源の時にHuman Natureを使用してます。
自分の好きな音源でサウンドチェックするのが一番ですが、なんでも流していいとはかぎりません。
(過去に六甲おろしをスピーカーチェックで流してクライアントに怒られた先輩とかいました。)
自分に合った音源がみつかりますように、参考にしてくださいね!
それでは!
もちこ